共楽館とは

共楽館について

共楽館とは…

 共楽館[現・日立武道館]は、今から約100年前に地元の企業・日立鉱山の福利厚生施設として創建された劇場です。元は従業員やその家族が利用するための施設でしたが、社外にも広く開放され、地域住民の文化体験や子供の学芸会にも利用されるなど、多くの人々に親しまれる存在でした。

 

 劇場でありながら工場建築の手法も取り入れられた構造は、鉱山技師による設計です。内部には歌舞伎の上演もできる本格的な回り舞台や花道、客席などを備え、一流の芸能人による演劇・歌謡ショーなどもたびたび催されました。テレビがまだ普及していなかった時代に、共楽館は都市部の文化を日立に伝える役割を果たしていたのです。

 

 昭和20年代になると映画の専用館となり、企業の補助もあって市価より安い料金で名画が楽しめたため、昭和41年の閉館まで映画館としても多くの市民に利用されていました。

 

共楽館から日立武道館へ

 創建から50年ほど経過した昭和30年代後半、テレビが普及するに伴い人々の足は劇場から遠のき、共楽館は娯楽施設としての役目を終える事となります。
 閉館後の1967(昭和42)年に鉱山から日立市へ建物が寄贈されると、共楽館は武道場に生まれ変わり、日立武道館として第二の人生をスタートさせるのでした。
 武道場に改造する際、舞台と客席が取り払われ劇場としての機能はすべて無くなりました。しかし改修・耐震工事を施してきたことにより建物自体は健在で、築100年を経過した現在も多くの市民に利用され続けています。

共楽館 略歴

1905 (明治38 日立鉱山 開業
1914 (大正 3

煙害対策である大煙突の建設が完了

(賠償金負担が減る

1916

(大正 5 福利厚生施設として劇場建設を開始
1917 (大正 6 共楽館 こけら落とし
   
1967 (昭和42 共楽館 閉館 日立市に寄贈される
  日立武道館として始動
   
1999 (平成11 国の登録有形文化財 指定
2009 (平成21 日立市の指定文化財 指定
   
2017 (平成29 共楽館 創建100周年を迎える
   
現在