共楽館シネマ '18
看板絵・映画ポスター 展
イベントレポート
劇場として生まれ、現在は体育館として利用されている共楽館ですが、この建物が【映画館】として活用されていた時期があるのをご存じでしょうか。
戦後の昭和21年から映画を多く上映するようになり、昭和30年には大型スクリーンを導入して客席も映画館仕様に改装、閉館前の昭和40年まで連日たくさんの人気作品を上映していました。
企業の福利厚生施設ゆえ料金が他の映画館より安く、社員以外も入場できたので、まだテレビが家庭に普及していなかった時代に市民に娯楽を届ける役割を果たしていたのです。
そんな時代の空気を再現してみようと始まったこの共楽館シネマ、今回は上映の他に、絵師さんによる手描きの映画看板と、昭和の映画ポスター展示も行い、多くの皆さんにご来場いただきました。
■上映プログラム
2018年 4月 14(土)~15(日)
午前の部 10:30~ 邦画「乞食大将」
午後の部 14:00~ 洋画「シェーン」
★入場無料!
■看板絵が並ぶ会場
会場には映画看板職人の井桁豊さんからお借りした作品を数十点展示させていただきました。「風と共に去りぬ」「カサブランカ」「エデンの東」「東京物語」などなど、映画が娯楽の花形だった時代の空気が館内に蘇ります。
(※お客様の入場前に撮影)
■看板絵師
絵師の井桁豊さんは茨城県つくば市在住。かつて茨城や東京の名だたる映画館で看板職人を務められ、82才(※'18現在)となった今もご自身のアトリエで作品を描き続けていらっしゃいます。
一枚一枚がとても精巧かつ美麗!憂いある表情の俳優たちは、今にも語り出しそう。
Welcome!
名優ソフィア・ローレンの8頭身パネル(等身大)が、会場の入口でお客様をお出迎え。もちろんこちらも井桁さんの作品です。
大女優がさりげなく提げているのは、井桁さんが今回の映画会のために急遽作成してくださったボードです。予定になかったので大感激!
■懐かしい映画ポスターの数々
そして看板絵と共に会場を彩ってくれたのは、貴重な昭和の映画ポスターの数々。
ご提供くださったのは日立市在住のコレクター・山田茂さん。美空ひばり、石原裕次郎はじめ昭和の大スターのお宝コレクションは、来場された方々に青春時代を思い起こさせていたようでした。
山田さんには上映の合間に、映画や蒐集への想いなどを語るミニトークショーも行っていただきました。
3月中に桜が咲ききるほど暖かい春...だったはずなのに、なんと初日はみぞれでも降りそうな花寒の一日となってしまいました。急遽午後の部から日立武道館の大型ストーブをお借りして会場を温めたのですが、午前の部にご来場者いただいた皆様には寒い思いをさせてしまったのではと反省しております。このような点を改善しつつ、今後も皆さんに楽しんでいただけるような共楽館ならではのイベントを企画していきたいと思っています。
共楽館を考える集い