100周年記念公演 【第1弾】
未来へつなぐ郷土の芸能 in 共楽館
主催:「共楽館創建100周年を祝う会」記念事業実行委員会
2017年は共楽館の誕生から100年目のメモリアルイヤー。そこで当会および有志が集まり実行委員会を結成し、「つなぐ」をテーマに様々なイベントを企画・開催しました。
100周年記念事業の第1弾は公演「ふるさとの芸能を楽しむ集い」の開催です。未来を担う子供たちに [人・街・文化]をつないでいくことを託し、100年の歴史を育んできた共楽館の舞台で披露していただきました。
期 日: 2017年 4月16日(日)
場 所: 共楽館(現・日立武道館)
入場無料 (※事前に応募のうえ抽選)
■プログラム
日立風流物 子ども鳴り物
津軽三味線の調べ
西塩子 こども歌舞伎
■館内展示
写真(共楽館のあゆみ)展示
共楽館のポスター絵 展
小中学生からのお祝いメッセージ
■物 販
[創建100周年]記念切手
芝居茶屋出店・昼食広場
弁当、菓子、酒類(共楽シリーズ)
常陸大宮市・地場産品
秋田県小坂町産アカシア蜂蜜 etc.
【 ダイジェスト動画】(15分)
共楽館 100周年記念公演「未来へつなぐ郷土の芸能in共楽館」
https://youtu.be/V1tKXG8vDN8
▼公演レポート
1) 開幕まで
2017年4月16日 快晴
周囲の桜も舞う中
共楽館100才を祝う会、開幕まであと少し
開場を待つ館内
100~50年前の「劇場」時代とほぼ同じ位置に、舞台と花道がしつらえられました。
入場前...開場前から玄関には長い行列が。ハガキでご応募いただき、当選された方々を今回ご招待。抽選に漏れてしまった皆さん誠に申し訳ありませんでした!
開場前...ボランティアの方々に仕事の内容を説明。主にお客様の誘導と館内案内、受付業務をお手伝いいただきました。
休日にもかかわらずご参加いただきましてありがとうございました。
開場とともに大勢のお客様が ……
さぁ、いよいよ開幕です!
2) 開会・午前の部
開会の言葉
日立第二高等学校・放送部の生徒さんがアナウンスと進行役で参加してくださいました。
実行委員あいさつ
実行委員会代表・貴島よりご挨拶。共楽館の歩みを紹介。
市長からの祝辞
小川春樹市長の代理でご出席いただいた横山伸一副市長より、ご祝辞を代読いただきました。
【演目 1】 日立風流物 西町支部「子ども鳴り物」
「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ文化遺産に登録された、市の誇り日立風流物。日立さくらまつりでは毎年その勇壮華麗な姿が披露され、お囃子・鳴り物が祭り会場を大いに盛り上げます。
日立風流物の保存会には北町・東町・西町・本町と4つの支部がありますが、今回ご出演いただいた西町支部「子ども鳴り物」の皆さんは、日頃から共楽館でその伝統を引き継ぐための稽古を積まれています。
■日立風流物の山車(西町支部)
撮影 2017年4月 日立さくらまつり
この日はトップバッターとして登場。慣れ親しんだ会場で、小さな演者さんから子ども鳴物を今年卒業する大学生の方まで、建物の隅々まで響き渡るような力強い演奏を披露してくださいました。
【演目 2】 佐々木光義流津軽三味線「三絃会」 弦悟郎社中
共楽館でのイベントに過去にもご参加いただいている、佐々木光儀流 津軽三味線。門下の方々はコンクールや全国大会で数多く活躍し、各地で演奏活動もこなされています。
この日演奏してくださった「弦悟郎社中」の皆さんは4~18才。年少の演奏者さんの愛らしくも真剣な姿にほっこりし、大人に勝るとも劣らない年長組の情感あふれる演奏には度肝を抜かれ、普段生の演奏に触れる機会のない三味線の魅力を堪能させてくださいました。
1)南部俵積唄
2)津軽じょんがら節
3)津軽あいや節
4)津軽じょんがら節[曲弾き独奏]
5)米節
6)津軽じょんがら節[曲弾き六段合奏]
3) 昼 休 憩
日立武道館横の駐車場を「食事広場」に開放。焼きそば、焼き鳥、寿司弁当、コーヒーなどの出店の他に、お土産品販売もあり、大勢の客様にご利用いただきました。
※主な販売品)和菓子・お酒・共楽館の木札・常陸大宮市の特産品・秋田県小坂町のアカシア蜂蜜 など
▲春の日差しの中、屋台広場での昼食タイム
▲昼食時は業者さんも大忙し。早朝から準備いただきイベントを盛り上げてくださった各出店業者の皆さん、ありがとうございました。
▲西塩子の皆さんによる常陸大宮市の物産品販売ブースも。特産「塩田みそ」の試食が美味しそうでした。
▲近隣の仲町小学校・平沢中学校の生徒さんからお寄せいただいた100周年のお祝いメッセージも展示させていただきました。
この日提供された八方寿司さんの寿司弁当の包みには、学生ボランティアさんが描いてくれた共楽館の絵を使っていただきました。
※お祝い仕様は撮りそこねてしまったので、過去に食べた通常の寿司弁当の写真を♪
4) 午後の部
午後は常陸大宮市からご参加いただいた
【西塩子の子ども歌舞伎】の上演です
西塩子の農村歌舞伎は、常陸大宮市の西塩子地区に江戸時代から伝わったとされています。 昭和20年(1945)に一旦途絶えますが、平成9年(1997)に地域の人々の熱意によって半世紀ぶりに復活、以降はほぼ3年に一度定期公演が開催されてきました。
復元を機に地元の大人たちが地芝居の「西若座」を結成。そして小学生たちによる「こども歌舞伎」も上演されるようになり、学校の総合学習の一環で公演の年に4年生になる児童が秋の発表にむけて稽古を積むそうです。
詳しくは「西塩子の回り舞台保存会」へ
(外部サイト)
▲展示写真より「西塩子の廻り舞台」
地元の竹約300本を切り出し、地域の人達によって1か月以上かけて屋外に組み立てられます。
(間口・奥行ともに約20m、屋根高7m)
▲「平成の大幕」
西塩子の舞台で実際に使用される見事な「引き幕」をお借りして、会場に飾らせてていただきました。昔のやり方に習い、綿花の栽培から紡いで織って縫い合わせまで、すべて地元の人々の手によって作られるそうです。
【演目 3】 西塩子 子ども歌舞伎
口 上
「とざいとうざーい」
息の合った東西東西の発声で幕を開けた子ども歌舞伎。その堂々とした口上に、客席から大歓声と色とりどりのおひねりが飛び交います。
子宝三番叟 (こだからさんばそう)
歌舞伎などの幕開けで舞われるおめでたいご祝儀曲「子宝三番叟」。
登場と同時に開場が華やぎ、花道を歩く役者さんたちの着物と所作の美しさに見惚れました。
息の合った踊りを披露する役者さんも、常磐津を歌い上げる語り手さん達も、みんな10才の小学生……そう思うとただただ感心。
白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場
五人のうち、まず花道に登場するのは弁天小僧菊之助。登場を心待ちにしていた観客に大きな拍手で迎えられました。
1917年・共楽館のこけら落としも歌舞伎の上演でした。プロと子ども歌舞伎との違いはあれど、100年前も同じこの天井の下で観客がワクワクしながら舞台を見つめていたのかと巡らすと、感慨深いものがあります。
捕り物の場面では捕手の役者さん達も大活躍。きっとたくさんの稽古を重ねたのでしょう。素敵な舞台をありがとうございました!
※この場面は公式動画にも収録させていただいておりますので、是非そちらもご覧ください。
5) 閉 会
実行委員代表 あいさつ
共楽館の建物にふさわしい演目の数々が披露されました。また今日のような会が催され、皆さんと共に楽しめることを心より願っております。(閉会の詞より)
閉幕後の片づけもボランティアの皆さんにお手伝いいただきました。 参加いただいたすべての皆さまに感謝申し上げます。
学生ボランティアさん達と反省会。この建物で過ごした今日が、10代の皆さんの心に残る一日になってくれるといいな。
素人運営で至らない点も多く、ご来場いただいた皆さんと出演者及びそのスタッフの皆さんには、なにかとご迷惑をおかけした事と思います。
多くの方々に協力していただきながら皆で作りあげたこのイベント、主役の「共楽館」は楽しんでくれたかな? 直接感想が聞ければいいのですが……
この先の100年も、共に楽しく……