四 季 桜

Sakura

 

 - 共楽館の戦災桜

 

 第2次大戦末期の昭和20年、軍需工業都市だった日立市は 6月に1トン爆弾で日立海岸工場を爆撃され、7月17日から19日にかけてはB29による空襲や日立沖からの艦砲射撃等で大きな被害を受けました。

 日立製作所山手工場、日立鉱山電錬工場をねらった砲弾の多くは、工場敷地から周辺の社宅・山林・市街地に大きな被害を出し、万城内社宅や天神森、宮田地区をはじめ日立市街地にも多くの被害・犠牲者を出しています。この時、共楽館の屋根にも焼夷弾など爆弾の破片が落ちましたが、奇跡的にも焼失は免れました。

 この写真の四季桜は当時共楽館建屋の山側にあり、破片等が幹を突き抜けたような穴があきましたが、かろうじて幹回りの外皮だけが残り、そこに新しい根や芽が伸びて育ったと伝わっています。

 平成17年頃から歴史的建造物として共楽館保存の動きが始まり、共楽館の改修工事が平成22年1月に着工しました。工事に合わせ四季桜も平成23年2月に共楽館の裏手に移植されましたが、そのすぐ後に東日本大震災が起きました。

 共楽館とともに戦災に耐え、東日本大震災も乗り越えた四季桜は、傷を負い戦後80年を経過した今も、年ごとに幹回りを太くし枝ぶりも広げて見事な花を毎年咲かせています。

 この-共楽館の戦災桜-は大煙突とともに、日立の歴史を見守り平和の大切さを物語る、我が街自慢の存在なのです。

 

現在の場所に移植される前の四季桜

以前は建物の山側(北西側)にありました

 四季桜を見にいこう!

 

四季桜は、春と秋に花をつける二季咲きの桜の品種です。

共楽館の裏に植えられている四季桜は樹齢が100年を超えているとされ、昭和20年の日立空襲では幹に大きなダメージを受けましたが、わずかに残った樹皮や根を少しずつ伸ばし、奇跡の成長をとげたと伝わっています。

春夏以外にも断続的に数輪の花をつける年もあり、季節によって葉桜・花のみ・花と落葉など様々な表情を見せてくれますので、共楽館にお越しの際はぜひ建物裏の四季桜にもご注目ください。

建物の山側(北西)から裏手に移植された頃の四季桜

 

今ではしっかり根付き春夏は青葉を茂らせています

 

花弁は小ぶりで可憐

季節によって大きさも微妙に変わるようです

 

敷地の外からも見ることができますので

共楽館にいらした際はぜひ四季桜にもご注目ください

(2026年3月 撮影)

敷地内から観察したい場合は

日立武道館の事務所に声をかけてご入場ください